1970年代に起こった電卓戦争、そのきっかけは半導体技術の進歩でした。演算素子であるLSI(大規模集積回路)の入手が容易になると、最盛期には50社以上のメーカーが電卓市場に参入しました。各社は「小型化」「低価格化」を競い合い、特にカシオが1972年に発売した「カシオミニ」は、手のひらサイズで12,800円という低価格を実現し、電卓が一般家庭にも普及する契機になりました。1980年代に入ると電卓は多機能、高性能を求められるようになり、電子手帳、電子辞書などが誕生しました。
電卓の開発で培われた半導体技術はスマートフォンにも応用されていて、現在のエレクトロニクス技術の発展に大きく寄与しています。